感傷旅行 感想文

 

田辺聖子さんの「感傷旅行」を読みました。
田辺さんの「ジョゼと虎と魚たち」の大ファンなこともあって、他の作品も読んでみようと思い購入しました。実は、微かな記憶なのですが私が十代後半の時にこの小説を買って読んだ記憶があるんです。当時は松本伊代さんが好きだったので、センチメンタルジャーニーつながりで読んだような(笑)。内容はすっかり忘れていましたが、読み終えて確かに読んでいたような不思議な感覚になりました。大昔読んだ本で、内容は覚えてなくても、「ああ、読んだことあるかも。」という感じになったことありませんか?まさにそんな感覚です。ただ、すごく心に残った話なら明確に覚えているので、そんなことはないでしょうが、いまいちな話の小説とかドラマだと結構忘れるものかもしれません。あと曲とかでもそうかな。
そんなわけで、おそらく三十数年ぶりの読んだこの本なのですが、今読み返しても、やはりイマイチでした汗。でもこの作品は当時、芥川賞受賞作だったですね。これは今知りました。登場人物の有以子は三十代半ば過ぎなんですが、昭和の時代はこういう女の人が結構いたのかなと考えました。現代はあまりいないんじゃないか、いや、そう思ってるだけでいるかもしれません。何となく昭和時代のテレビドラマを見ている気分になりました。この小説は短編集で全八話が収録されてますが、いずれも色恋沙汰的な話が出てきますが、やっぱり昭和チックです。そりゃそうです、初版発行が昭和四十七年ですから。

古き良き時代の小説ですね。タイトルの感傷旅行よりも、他の短編の話のが面白かったです。
もう少し歳を取ったらまたよみかえしてみるかなぁ~

かしこ


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