前々か気になっていた「鬼車二輪馬車の秘密」をよみました。
この小説は翻案小説という、外国作品の骨子を生かして、地名や人名を自由に変えて書かれたものです。このスタイルの小説は初めて読みました。これがなんとも面白くて、ストーリーの舞台はオーストラリアなんですが、町名や人名は日本語になってます。でも、あくまでも日本が舞台ではなく、オーストラリアで展開するのです。この作品はファーガス・ヒュームというイギリス人が原作で、明治24年に丸亭素人によって翻案され日本で発売されました。
現代では翻案は殆どされず、一般的に翻訳された外国小説が主ですから、この本は希少と言えるでしょう。
昔の小説にありがちな読みにくさは有りません。スイスイ読めました。(手直しされてる?)推理小説なんですが、明治時代に書かれた小説としては古臭さがなく、現代人が読んでも楽しめる内容だとおもます。でも、一般的なストーリーで特に印象に強く残るようなトリックとかはない感じ。
それでもこの小説の肝は冒頭に書いた「翻案」としての楽しさだと思います。そこを味わいたい方読んでみては如何でしょうか。
かしこ
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